OGGI|旬の食材を少しずつ味わう、華やかな前菜と名物パスタ@東京・西麻布

秋の日、西麻布にあるイタリアン「OGGI(オッジ)」へ。
以前は「オッジ ダルマット 西麻布店」の名で親しまれていたお店で、2025年に現在の店名へ改称しました。契約農家から届く野菜や産地直送の魚介、厳選した肉を使い、季節感のあるイタリア料理を楽しめます。

木のトレイに盛られた、契約農家から届いた色とりどりの野菜と洋梨、卵
この日の野菜を、まず籠ごと見せてくれます

席につくと、その日の野菜を籠ごと見せてくれます。
葉つきの根菜、色の違うトマト、洋梨、レモン。これから出てくる料理の顔ぶれが先に分かるので、待つ時間そのものが楽しくなります。

料理長を務めるのは、19歳からオッジ ダルマットで6年間経験を積み、系列の「ダルマット 六本木ヒルズ」でも料理長を務めた安藤勇一朗シェフ。
1994年、栃木県那須塩原市の生まれです。現在は、おまかせコースに加えてアラカルトも用意されています。

場所は西麻布交差点からほど近い路地沿い。グレーとダークブラウンを基調とした店内は照明がやや落とされ、落ち着いた雰囲気です。
ガラス越しに厨房が見えるので、席にいながら料理が仕上がっていく様子も眺められます。テーブル席のほか個室もあり、普段の食事から記念日や会食まで幅広く使えそうな空間でした。

目次

おまかせコース

いただいたのは、季節の前菜8種盛り合わせ、エゾ鹿のカツレツ、名物の冷製パスタ、仔羊のロースト、生雲丹のパスタ、デザートまで続くコース。
安納芋に戻りカツオ、ラ・フランスにエゾ鹿と、秋の食材が次々に出てきます。季節の食材を少しずつ楽しめる前菜から始まり、冷製と温製、2種類のパスタを組み込んだ充実した構成です。

肉料理が2皿続きますが、エゾ鹿はカツレツ、仔羊はローストと調理法が違うので、味わいが単調になりません。
しかもその間に冷たいパスタが挟まるため、重なりすぎずに食べ進められました。

乾杯のノンアルコールスパークリング

グラスに注がれたノンアルコールスパークリングと、ピエール・ゼロのボトル
乾杯はピエール・ゼロのシャルドネで

この日は、フランス産ノンアルコールスパークリング「ピエール・ゼロ シャルドネ」で乾杯。
すっきりとした飲み口で、品数の多い前菜にも合わせやすい一杯でした。

自家製パン3種

黒い皿にのせられた自家製パン3種。米粉と十五穀米、全粒粉、緑色の青海苔のゼッポリーニ
米粉と十五穀米、全粒粉、そして青海苔のゼッポリーニ

パンは、米粉と十五穀米、全粒粉、青海苔のゼッポリーニの3種類。
米粉と十五穀米のパンは、表面の香ばしさに対して中はもっちり。穀物の食感があり、そのままでも食べ進めたくなります。全粒粉のパンからは、小麦の素朴な香り。

青海苔のゼッポリーニは揚げたてで、ふっくらとした生地から磯の香りが広がりました。
ゼッポリーニはナポリの揚げパンで、生地に海藻を混ぜ込むのが本場のやり方。イタリアの定番に日本の青海苔を合わせているところに、このお店らしさを感じます。

Antipasto misto 季節の前菜8種盛り合わせ

大きな黒いプレートに円を描くように盛り付けられた、季節の前菜8種
大きな黒いプレートに、円を描くように

目の前に置かれた瞬間に、思わず声が出る一皿。
大きな黒いプレートに、季節の前菜が円を描くように盛り付けられています。温度も食感も味の濃淡も違う8種類を、少しずつ。

季節の前菜8種盛り合わせを別の角度から。OGGIのロゴを焼き入れたチップがのっている
OGGIのロゴを焼き入れたチップも

華やかな見た目だけでなく、次はどれをいただこうかと迷う時間まで楽しめる、OGGIらしい一皿です。
ロゴを焼き入れたチップが一枚のっているのも、写真を撮りたくなる仕掛け。ここからは、盛られていた8品を順に。

安納芋のスフォルマート

スフォルマートは、野菜などを卵やチーズと合わせて焼き上げるイタリアの料理。
安納芋のやさしい甘みとチーズのコクが重なり、なめらかな口当たりに仕上がっています。甘さだけに寄らず、前菜としてワインにも合わせやすい味わいでした。

テスタ・ディ・マイアーレのフリット

豚の頭部の肉を使ったテスタ・ディ・マイアーレを、衣をつけて香ばしいフリットに。
表面はさっくりとして、中には豚肉の旨味が凝縮されています。添えられたソースや野菜の酸味が脂をほどよく軽くし、サイズは小さくても印象に残りました。

真鱈のバッカラ・マンテカート

塩鱈をなめらかに練り上げたバッカラ・マンテカート。ヴェネツィアの定番料理です。
ふわりと軽い口当たりの中に、真鱈の旨味とほどよい塩気があります。イクラの塩味と、薄い生地のパリッとした食感も良いアクセントです。

富士鶏のガランティーヌ

富士鶏をしっとりと仕上げたガランティーヌ。
鶏の穏やかな旨味を生かした端正な味わいで、ソースや付け合わせと一緒にいただくことで香りとコクが加わります。

フォアグラのブルスケッタ

香ばしく焼いたパンに、濃厚でなめらかなフォアグラを重ねたブルスケッタ。
ひと口ほどの大きさですが、フォアグラのコクとパンの香ばしさがしっかりと広がります。前菜の中でも味わいに厚みのある一品でした。

戻りカツオのアラビアータ

戻りカツオを、トマトの酸味と辛味を利かせたアラビアータ仕立てに。
脂ののったカツオにトマトの明るい酸味が合い、後味はすっきり。上に添えられた蓮根のチップが、香ばしさと軽い食感を加えています。

バターナッツかぼちゃのスープ

中央の小さなグラスには、バターナッツかぼちゃのスープ。
口当たりはなめらかで、かぼちゃの自然な甘みがじんわりと広がります。味のはっきりした前菜の間にいただくと、ほっとするやさしさがありました。

マダイのカルパッチョ

マダイのカルパッチョは、身の弾力と淡白な旨味を素直に楽しめる仕立て。
オイルのコクと爽やかな香りが重なり、濃いものが続いた口を一度リセットしてくれます。8種の中では、いちばん最後に残しておきたい一品でした。

エゾ鹿のカツレツ

白い皿にのせられた、断面がロゼ色のエゾ鹿のカツレツ。葉野菜とソースが添えられている
衣は薄く、断面は鮮やかなロゼ色

続いて、厚みのあるエゾ鹿のカツレツ。
細かな衣は薄く香ばしく、切ると中心は鮮やかなロゼ色。しっとりとやわらかく火入れされた赤身から、噛むほどに鹿肉らしい濃い旨味が広がります。

ジビエ特有の香りは穏やかで、重たさもありません。
ソースのコクと添えられた葉野菜のほろ苦さが加わり、赤身の持ち味をまっすぐ味わえる一皿でした。揚げ物なのに次のひと口が軽く感じられるのは、火入れの加減あってこそだと思います。

山形県産ラ・フランスと濃縮トマトの冷製パスタ

冷やしたフォークに巻かれた細い冷製パスタと、山形県産ラ・フランス
よく冷えた細いパスタに、洋梨をたっぷりと

OGGIを代表する「季節のフルーツと濃縮トマトの冷製パスタ」。
春はいちご、初夏はさくらんぼ、夏から初秋は桃、秋から冬は洋梨と、季節ごとに果物が替わります。この日は、山形県産ラ・フランスを使った一皿でした。

よく冷えた細いパスタに濃縮したトマトの旨味をまとわせ、ラ・フランスをたっぷりと。
洋梨の芳醇な香りととろける甘みに、トマトの甘酸っぱさと塩味が重なります。さらに冷たいジュレの清涼感、ミントと白胡椒の香りがアクセント。

果物を使ったパスタと聞くと甘い一皿を想像しますが、口に入れると先に来るのはトマトの塩気と酸味。
洋梨はその後ろから香りで追いかけてくる、という順番でした。前菜と肉料理の間を軽やかにつなぐ役どころです。

スプーンまで冷やして供されるため、最後まで心地よい冷たさを保ったまま味わえるのも印象的でした。

仔羊のロースト 淡雪塩

黒い皿にのせられた、断面がロゼ色の骨付き仔羊のロースト。大粒の淡雪塩が散らされている
散らされた白いものが淡雪塩

メインは仔羊のロースト。
断面は美しいロゼ色で、中心までしっとり。仔羊らしい旨味はありながら香りに強さはなく、肉質のやわらかさが際立ちます。

表面に散らされた大粒の淡雪塩を少しずつ合わせると、肉の甘みがより鮮明に。
淡雪の名のとおり口の中で軽くほどけ、塩味が残りすぎないため、仔羊の繊細な風味を損ないません。骨まわりには弾力と旨味があり、部位による食感の違いも楽しめました。

北海道産生雲丹のパスタ

黒い皿に盛られた、雲丹のソースが絡んだオレンジ色の温かいパスタ
締めは北海道産の生雲丹で

締めの温かいパスタは、20g、40g、60gから好みの量を選べます。
この日は北海道産の生雲丹を使ったパスタ。生クリームに頼らず、オリーブオイルで雲丹の旨味を引き出した仕立てです。

ソースには雲丹の甘みと磯の香りが溶け込み、麺にも濃厚な味わいがしっかりと絡みます。
コクはありますが後味は重すぎず、コース終盤でも食べ進めやすいバランス。量を自分で選べるので、お腹の具合に合わせながら最後まで楽しめるのも嬉しいところです。

北海道産生クリームのパンナコッタ

黒い皿にのせられたパンナコッタ。ベリーのソースとクランブルが添えられている
ベリーのソースとクランブルを添えて

デザートは、北海道産生クリームをふんだんに使ったパンナコッタ。
なめらかでミルキーな口当たりに、表面の香ばしい甘みとベリー系ソースの酸味が重なります。添えられたクランブルの食感もアクセントになり、濃厚さがありながら後味は軽やかでした。

ハートのラテアートが描かれたカフェラテ
きれいなハートのラテアートで締めくくり

食後はコーヒー、紅茶、カフェラテ、エスプレッソ、カモミールから選択。
この日は、きれいなハートのラテアートが描かれたカフェラテをいただきました。

お店情報

店名 OGGI(オッジ)※旧「オッジ ダルマット 西麻布店」
ジャンル イタリアン、パスタ
住所 東京都港区西麻布1-10-8 第2大晃ビル1F
アクセス 東京メトロ日比谷線「六本木」駅2番出口から徒歩8分/千代田線「乃木坂」駅A5出口から徒歩8分
電話 03-6406-0771
営業時間 月〜金 17:00〜23:30(料理L.O. 22:00)/土日祝 11:30〜13:20、13:30〜15:20、17:30〜22:00(料理L.O. 21:00)
定休日 不定休
席数 26席(カウンター2席・テーブル24席)
予算の目安 コース6,600〜13,200円(ディナーはサービス料10%別)
予約 予約可(個室は室料5,500円)
支払い カード可(VISA・Master・JCB・AMEX・Diners)
駐車場 なし(近隣にコインパーキング)
オープン 2008年11月11日

行く前に知っておきたいこと

  • 2025年に「オッジ ダルマット 西麻布店」から「OGGI」へ改称しました。予約サイトによっては旧店名のまま載っています
  • 名物の冷製パスタは、季節で果物が替わります。春はいちご、初夏はさくらんぼ、夏から初秋は桃、秋から冬は洋梨。狙いの果物があるなら時期を合わせて
  • 締めのパスタは20g・40g・60gから量を選べます。前菜が8種と多いので、お腹と相談しながら決められるのはありがたいところ
  • コースは6,600円から。ディナーにはサービス料10%が別途かかります
  • おまかせのほかにアラカルトもあります。軽く飲みたい日にも使えます
  • 個室があります(4名・6名/室料5,500円)。会食や記念日にも
  • 土日祝はランチもあります。平日はディナーのみ、定休日は不定休なので事前確認を
  • 最寄りは六本木駅・乃木坂駅からそれぞれ徒歩8分。駐車場はありません

OGGI まとめ

8種類の前菜に始まり、エゾ鹿と仔羊、冷製と温製の2種類のパスタまで、食材も調理法も変化に富んだコースでした。
なかでも印象に残ったのは、山形県産ラ・フランスと濃縮トマトの冷製パスタ。洋梨の甘みと香りを前に出しながら、味の芯にあるのはトマトの旨味と塩味で、最後にジュレの冷たさが残ります。デザートではなく、きちんと一皿の料理として食べさせるところが見事でした。

前菜では季節の食材を少量ずつ、肉料理では火入れの良さを、締めのパスタでは北海道産生雲丹の濃厚な旨味を。
それぞれに見せ場がありながら、最後まで流れよく味わえました。品数は多いのに食べ疲れないのは、冷たい皿と温かい皿、揚げ物とローストが交互に来る組み立てのおかげだと思います。

旧店名の頃から続く名物を大切にしつつ、現在の安藤シェフらしい軽やかさと洗練を重ねたOGGI。
季節が替わる頃に、別の果物を使った冷製パスタも味わってみたくなる一軒です。

 

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この記事を書いた人

センスのいい店と、美味しい時間。東京を中心に、静岡・関西まで1,000軒以上を訪ね歩いています。掲載しているお店は、すべて自分が訪問し、撮影したものです。おいしかったものは、おいしかったと。好みと違ったものは、そう書きます。

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