天 よこた丨軽やかな衣で味わう、魚介と旬野菜の天ぷら@東京・麻布十番

天 よこた丨軽やかな衣で味わう、魚介と旬野菜の天ぷら@東京・麻布十番

麻布十番「天 よこた」素材の持ち味を引き出す、軽やかな天ぷら

麻布十番駅から徒歩7分ほど、元麻布の静かな一角に店を構える「天 よこた」。

2021年4月にオープンした完全予約制の天ぷら店で、店内はカウンター8席のみ。
食べログ「天ぷら 百名店」に2023年、2025年と選出されています。

店主を務めるのは横田 省吾氏。父が開いた麻布十番の天ぷら店「天冨良よこ田」を礎に、受け継いだ江戸前天ぷらの技術を大切にしながら、時代に合わせた新しい表現を取り入れています。

お店が掲げるのは、「守り続けること」と「進化し続けること」の共存を意味する「不易流行」という考え方。昔ながらの江戸前天ぷらをそのまま踏襲するのではなく、素材や組み合わせ、火入れの工夫によって「天 よこた」ならではの天ぷらに仕立てています。

店内は白木を基調としたカウンター8席のみ。楢材のカウンターや銅板の天井、深い緑色の陶板などが使われ、すっきりとした設えの中にもモダンな雰囲気が感じられます。

おまかせコース

提供されるのは、季節の魚介や野菜を取り入れたおまかせコース。
コースは天ぷらだけでなく、蛤のお出汁や牡丹海老の漬けからスタート。
旬の魚介や野菜を使った天ぷらが続き、最後は天丼または天茶で締めくくります。

それぞれのネタに合う食べ方を教えていただきながら、この日は藻塩、カレー塩、天つゆ、醤油を使い分けていただきました。

蛤のお出汁

まずは蛤のお出汁から。
とても濃厚なお出汁で、口に含むと潮の香りがふわっと広がります。
蛤の旨みがしっかりと感じられ、これから始まるコースへの期待を高めてくれる一杯でした。

牡丹海老の漬け

大きな生の牡丹海老を漬けに。
甘くねっとりとした味わいが幸せです。漬けにすることで牡丹海老の甘みがより濃く感じられ、舌に残る余韻も印象的。
この後に天ぷらが続くのですが、天ぷらよりも生の牡丹海老に心を奪われてしまった日でした。

ここから天ぷらへ。
天ぷらは藻塩、カレー塩、天つゆ、醤油を使い分けます。ネタごとにおすすめの食べ方を教えてくれるので、初めてでも迷わずいただけるのが安心です。

車海老

最初の天ぷらは車海老。30秒ほどという短い時間で揚げるため、中はまだレアな状態です。
薄くまとった衣の軽さと、海老の瑞々しさ、甘さが楽しめます。

短い揚げ時間のためか、尻尾はやや硬めに感じました。

車海老の頭

車海老の頭は、スナックのように軽い仕上がり。
噛むたびに香ばしさが広がり、カリカリとした食感も心地よいです。身の天ぷらとはまた違った、凝縮された海老の旨みを楽しめました。

白魚

白魚は大葉に巻き、中心をレアに仕上げています。
衣の中の白魚はとろりとしていて、気になりやすい苦みもありません。大葉の爽やかな香りが白魚の繊細な味わいに寄り添い、軽やかにいただけました。

百合根

一枚ずつ丁寧に揚げられた百合根は、塩またはカレー塩でいただきます。
こちらは衣がややしっかりめの印象。百合根に期待していたほくほく感や甘さがあまり感じられず、個人的には百合根の良さを十分に楽しめませんでした。
カレー塩を合わせると味に変化がつきますが、もう少し素材そのものの甘みを感じられる仕上がりが好みです。

早掘りの筍

早掘りの筍は、一度お出汁で炊いてから揚げているそう。
繊維がきめ細やかで瑞々しく、噛むと筍のやさしい風味が広がります。
含ませたお出汁は主張しすぎず、筍本来の味わいを損なわない上品な仕立てでした。

ヒメコダイ

身厚で、ふっくらと揚がったヒメコダイ。
魚の香りは控えめですが、その分食べやすく、厚みのある身で食べ応えがあります。

帆立の磯辺揚げ

大きな帆立の貝柱を天ぷらにし、海苔で挟んだ状態で手渡してくれます。
こちらは醤油をつけていただきました。
火が通った外側と、レアに仕上げられた内側。その食感の違いが楽しいひと品です。

帆立はむっちりとした身質で、噛むほどに甘みが広がります。
海苔の磯の香りと醤油もよく合い、素材の組み合わせはシンプルながら印象に残りました。

冬蓮根

シャキッとした歯触りと、内側のほくほく感を併せ持つ冬蓮根。
噛むほどに自然な甘みが感じられます。
水分を残しながらも蓮根らしい密度があり、この日いただいた野菜の天ぷらの中では一番好みでした。

穴子

穴子は、お腹の具合に合わせて半本または一本から選べます。
一本はかなり大きめで、見た目にもボリュームがあります。衣はザクッと香ばしく、身も厚いため食べ応えは十分。
しかし食べた瞬間に穴子の臭みを感じ、勿体無いなと感じました。

椎茸と海老

肉厚な椎茸の傘に、叩いた海老を詰めた天ぷら。
椎茸のふかふかとした食感に、海老の弾力と旨みが重なります。
椎茸から出る水分と海老の甘みがよく馴染み、どちらか一方が強くなりすぎないバランスでした。

車海老

2本目の車海老は、最初の1本とは異なる仕立て。
中には海老味噌が隠れていて、噛むとほのかな苦みとコクが広がります。
1本目では海老の甘さや瑞々しさを、2本目ではより濃厚な味わいを楽しめました。

天丼

締めは天丼または天茶から選べます。ご飯の量も、小さなものからしっかりとした丼サイズまで調整可能です。
私は小さめのお茶碗で天丼をいただきました。

海老がたっぷりと入ったかき揚げは贅沢で、小さめのお茶碗でも十分な満足感があります。
タレは上品な味付けで、ご飯や海老の風味を邪魔しません。
衣はむっちりとした食感。個人的にはもう少しサクサクと軽い方が好みでしたが、海老の量が多く、締めまでしっかりと食べ応えがありました。

お漬物も。

苺のシャーベット

デザートは苺のシャーベット。
果肉感がしっかりと残されていて、苺をそのまま味わっているような瑞々しさがあります。
甘さの中にほどよい酸味もあり、天ぷらをいただいた後の口の中をさっぱりと整えてくれました。

「天 よこた」を訪れて

レアに仕上げた車海老や白魚、火入れによる食感の違いを楽しめる帆立など、魚介の天ぷらが特に印象に残りました。
野菜では、瑞々しい早掘りの筍と、シャキッとした歯触りと甘みを楽しめる冬蓮根が好み。
天ぷらの前にいただいた牡丹海老の漬けも忘れられません。

一方で、百合根や穴子、締めのかき揚げなどは、素材の風味や衣の食感に少し好みとの違いもありました。
ネタによって印象に差はありましたが、揚げたてを一品ずつ味わい、それぞれに合う調味料を使い分けながら楽しめる、天ぷら専門店ならではのコースでした。

予約方法

OMAKASEから予約可能。
https://omakase.in/r/tk226638

店舗情報

天 よこた

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