四谷三丁目駅から歩いて4分ほど。
多くの飲食店が集まる荒木町の一角にある焼鳥店「オオクサ(OHKUSA)」へ。
店内はカウンター8席のみ。
大ぶりに串打ちしたブランド鶏を、備長炭でじっくり焼き上げるおまかせコース1本です。
このお店では、料理だけでなく店内での写真や動画の撮影も禁止されています。
そのため、この記事に載せられる写真は外観の1枚だけ。
串が炭にのる音と、立ちのぼる匂い。手元にスマートフォンがないぶん、そちらに気が向きます。
今回は高坂鶏を中心に、京紅地鶏や千葉県産地養鶏を部位ごとに使い分けたコースをいただきました。
「鳥みつ」から「オオクサ」へ
店主は大草光邦氏。焼鳥店を開く前は生花店を営んでいたそうです。
焼きの技術は赤提灯系の店に数か月いただけで、あとは独学。
2011年5月に新宿・歌舞伎町で「鳥みつ」を開業し、2019年11月11日に四谷三丁目へ移って、自身の名字を冠した「オオクサ」として新たにスタートしました。
以前の鳥みつではアラカルトも用意されていましたが、現在のオオクサはおまかせコースのみ。
30種類ほどの丸鶏を仕入れて仕込むといい、大草氏が選んだ鶏を、その日の状態に合わせて焼き上げていきます。
店内には季節の花が飾られていて、前の仕事がここに残っているのだと分かります。
焼鳥屋の賑やかさはありますが、騒がしくはありません。
「The Tabelog Award 2026」ではSilverを受賞。
食べログの焼き鳥百名店にも2021年から5年連続で選ばれています(2025年は「焼き鳥 EAST 百名店」)。
前身の「鳥みつ」には2018年にうかがっていました。当時の記事もあわせてどうぞ。

オオクサを象徴する大ぶりな串
オオクサでまず驚くのは、串の大きさ。
他の焼鳥と比べて肉が明らかに厚く、1.5倍ほどの量があります。
大きければ中まで火を通すのに時間がかかりますが、それでも水分を飛ばさず、部位ごとの歯応えを残して焼き上げてきます。
皮の付いた部位はしっかり香ばしく、ささみや胸肉には強い焦げ目を付けず、しっとりしたまま。
串が大きいぶん、表面と中心の差が口の中ではっきり分かります。
味付けはほぼ塩で、あとは炭の火加減だけで組み立てていました。
高坂鶏を中心にしたおまかせコース
今回いただいたのは、次の内容です。
- 京紅地鶏 ささみ
- 無花果とブラータ
- 高坂鶏 もも真ん中の赤身
- 千葉県産地養鶏 ハツ
- 千葉県産おおまさり
- 高坂鶏 胸
- 高坂鶏 レバー
- 高坂鶏と栗のスープ
- 高坂鶏 もも
- 京紅地鶏 背肝
- 静岡県産アメーラトマト
- 手羽先
- 高坂鶏のスープで炊いたリゾット
ささみ、胸肉、もも肉といった定番の部位に加えて、ハツ、レバー、背肝といった内臓も出てきます。
部位だけでなく鶏の種類も入れ替わるので、肉質や脂の乗り方、弾力の違いが並べて分かります。
コースの軸になるのが、兵庫県丹波篠山市で育てられる高坂鶏です。
生産者が飼料の設計を研究し、血液のバランスを整えることで肉質と脂を作り込んだ鶏で、とくにレバーの評価が高い銘柄。肉がやわらかく脂もクリーミーなので、厚く切って焼くこの店のやり方に向いています。
今回も胸肉、もも肉、レバーと、高坂鶏があちこちに使われていました。
今回は高坂鶏のほかに、京紅地鶏と千葉県産の地養鶏も出てきました。
銘柄が変わると肉の締まり方から違うので、そこに部位の差が乗ってきます。
季節の料理を挟みながら進むコース
串の合間には、旬の果物や野菜が挟まります。
無花果とブラータは、果実の甘みとチーズのミルキーさを合わせたもの。
千葉県産の大粒落花生「おおまさり」に、静岡県産のアメーラトマト。鶏が続いたところで口の中が一度リセットされます。
高坂鶏と栗のスープは、この時期ならでは。
鶏の出汁に栗を合わせた温かい一杯が入ることで、焼鳥だけのコースではなくなります。
串と野菜を機械的に交互に出すのではなく、その日の鶏と食材を見ながら順番が決められているようでした。
串はどれも大きいのに食べ疲れないのは、途中で温度と食感が切り替わるからだと思います。
締めは高坂鶏のスープで炊いたリゾット
締めは、高坂鶏のスープで炊いたリゾット。
ここまで焼いた肉として食べてきた高坂鶏が、最後は出汁になって出てきます。
スープを吸った米は想像よりずっと濃く、同じ鶏でも焼くのと煮出すのとではこれだけ違うのかと思いました。
撮影せず、焼鳥に集中する時間
オオクサでは、料理だけでなく店内の撮影も禁止されています。
食べログの店舗情報にも「携帯電話・カメラ等での店内、写真撮影・動画撮影を禁止させて頂きます」と明記されています。
料理を残しておけないのは少し惜しいのですが、スマートフォンを置いて焼き台だけを見ている時間は、思ったより悪くありません。
串が炭にのる音、少しずつ濃くなる匂い。
大草氏が串の向きを変えながら火の入り方を見ている手元も、カウンターなら目の前です。
写真を撮らないぶん、料理そのものをよく覚えて帰ってきました。
お店情報
| 店名 | オオクサ(OHKUSA) |
| ジャンル | 焼き鳥 |
| 住所 | 東京都新宿区荒木町7-13 森戸ビル1F |
| アクセス | 東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目」駅から徒歩4分(約200m) |
| 電話 | 03-6709-8874 |
| 営業時間 | 火〜土 19:00〜21:30 |
| 定休日 | 日曜・月曜 |
| 席数 | 8席(カウンターのみ・個室なし) |
| コース | おまかせコース15,000円(税込・サービス料込) |
| 予約 | 電話のみ。希望日の1週間前・昼12:00から受付(1週間以上先は不可) |
| 支払い | カード可(VISA・Master・AMEX)/電子マネー・QRコード決済は不可 |
| 駐車場 | なし(全席禁煙) |
| オープン | 2019年11月11日 |
行く前に知っておきたいこと
- 店内・料理ともに撮影は禁止です。携帯電話もカメラも撮影できないので、記録は頭の中だけと思って行ってください
- 予約は電話のみ、希望日の1週間前・昼12:00から。1週間以上先の日程は受け付けていないので、狙った日の受付開始日に電話する必要があります
- 1週間前が定休日にあたる場合は、翌営業日の受付。月曜・日曜が定休なので、そこも計算に入れて
- カウンター8席のみ、1組あたりの予約は2名まで。大人数での利用はできません
- メニューはおまかせコースのみ。その日の鶏と季節の食材に合わせて、順番まで組まれます
- コースは15,000円(税込)でサービス料・チャージなし。カードはVISA・Master・AMEXが使えます
- 営業は19:00〜21:30の1回転。日曜・月曜は休みです
オオクサ まとめ
大きく切り出したブランド鶏を、丁寧な火入れで焼き上げるオオクサ。
串の大きさから力任せの焼鳥を想像していましたが、出てくるものは焼き色を付けすぎず、水分を残した穏やかな焼き上がりでした。
高坂鶏、京紅地鶏、地養鶏を部位ごとに使い分けながら、間に果物や野菜、季節のスープを挟み、最後は鶏の出汁で炊いたリゾットへ。
演出も長い説明もありません。大きな鶏と炭だけで組み立てられたコースです。
写真を撮らずに、目の前の一串だけを追いかける。
そういう食べ方を久しぶりにした夜でした。