門前仲町「渡辺料理店」で味わう、クラシックフレンチと日本の感性
門前仲町の路地裏にある「渡辺料理店(わたなべりょうりみせ)」。
ビストロのような親しみやすさがありますが、本格的なフレンチを楽しむことができる大人気店です。
どれくらい人気かというと、私も何度か予約を試みましたが、700回以上電話をかけても繋がらないほどです。
オーナーシェフ 渡邉幸司氏
オーナーシェフの渡邉幸司氏は、銀座の名店「レカン」で長年料理長を務めてきた実力派。
オープン前には豊洲市場でも経験を積み、魚料理や食材の目利きにも確かな強みを持っています。
2022年7月、門前仲町にこの「渡辺料理店」を開店。
さらに2025年3月には、お店の斜め向かいに姉妹店「jiu」をオープンし、ますます注目を集めています。
料理の特徴
渡辺料理店の魅力は、クラシックなフランス料理をベースに、日本の食材や技法を取り入れた独自のアプローチ。
例えば、豊洲の経験を活かした鮮魚の料理や、パテやハムといったシャルキュトリは必食。
クラシックで骨太な一皿も多く、しっかりと「輪郭のある味わい」が楽しめます。
複数人でシェアしていろいろな料理を注文すると楽しさ倍増。
お酒との相性も抜群で、気づけばグラスが進んでしまいます。
ただし、つい欲張って頼みすぎるとかなりお腹いっぱいになるので要注意です。
「みせ」という店名の由来
「渡辺料理店」の名前にある「みせ」という響きは、大阪や京都の老舗文化に由来するそう。
幼少期からその文化に親しんできた渡邉シェフらしい、親しみと誇りを感じさせる店名です。
料理はコースでもアラカルトでも
コースは9,500円。大人数での訪問におすすめです。
今回はアラカルトで好きなものをいただきました。
食べたいものが多すぎて、何を注文しようか迷ってしまいます。
雲丹 蟹 コーンムース 焼きもろこし ジュレ
ゴールドラッシュのムースに、ズワイ蟹、コンソメジュレ。
ムースがとても甘く、蟹の旨味と相まってまったり濃い味わいです。
ジュレでサッパリと仕立てています。
乾杯はシャンパーニュを。
以降のドリンクはワインを持ち込みさせていただきました。
パンはいつも「たむらパン」さんのものを使用していますが、お休み期間だったようで別のものが提供されました。
稚鮎フリット 貝と海藻薬味
稚鮎は軽く揚がっていて程よい苦味です。
バジルソースに和えた蛤はエスカルゴのような味わい。
伝助穴子 フォアグラロールムニエル
下にはマッシュルームの焼きリゾット、トマトソース、シェリー酒の香りをつけたソース。
フォアグラと書いてあったのですが、重さはなくフォアグラ感は控えめ。
穴子はふんわりと旨みがあります。
白イカ ティエド ビーツの塩釜焼
やわらかな白イカにはアンチョビの塩気やピスタチオの食感。
アーリオオーリオとよく合います。
ビーツは塩気がやや強すぎる印象ですが、ジューシーで瑞々しさは段違いです。
こちらが塩釜焼きにしたビーツ。
和牛ほほ肉赤ワイン煮込み
セップ茸、ジロール茸を添えています。
赤ワインのソースは思ったより酸味があり、深みも絶品。根セロリのソースでまろやかさも。
お肉はトロッとコラーゲン感が強いですが、重すぎません。
オマール海老ビスクリゾット
鮮やかなサフランの黄色いリゾットは海老味噌で炊いています。
チーズ感があり、濃厚で味わい深いです。
オマールはプリっと柔らか。幸せです。
フランスビゴール 黒豚ロースト
ソースはオニオンソースとオランデーズソースの2種類。
オランデーズソースは酸味がしっかり感じられます。
豚はきめ細やかでしっとり、そして脂の美味しさもありつつサッパリとしています。
ネクタリン ハチミツ焼 ベルベーヌアイス
ジューシーなネクタリンに、レモンのようなさわやかな香りがするハーブの「ベルベーヌ」を使ったアイス。
ボリュームたっぷりですが甘すぎず、最後まで美味しくいただきました。
アメリカンチェリー クレームブリュレ
こちらは食べていませんが、アメリカンチェリーが載ったクレームブリュレ。
渡辺料理店 まとめ
お腹いっぱい食べても良心的なお値段で、「また来たい！」と思った渡辺料理店。
銀座レカン仕込みの確かな腕を持ちながら、堅苦しさを感じさせず「気取らずに本格を楽しめる空間」になっています。
クラシカルでありながら、新しい感性も感じられます。
お料理の味だけでなく接客も親切でアットホームな雰囲気、予約困難も納得です。
予約方法
毎月最初の月曜日、10時〜13時までの3時間で3ヶ月後の予約を受付。
TEL：03-6381-8899
