日枝神社に隣接する、和モダンのホテル
東京メトロ「溜池山王」「国会議事堂前」の両駅と地下で直結する「ザ・キャピトルホテル 東急」。
永田町という場所柄、静かで落ち着いた空気が流れています。
地上から見上げると、高層タワーの足元に、木を組んだ大きなひさしがかかっています。
手前には竹垣と植栽が配されていて、車寄せまでのわずかな距離にも和の設えがきちんと作られていました。
建物そのものは高層ビルですが、人が通る高さのところだけ、しっかり和になっています。
このホテルには前身があります。
1963年に東京ヒルトンホテルとして開業し、その後キャピトル東急ホテルとして2006年まで、43年にわたって営業していました。
その歴史を受け継いで、2010年10月に生まれ変わったのが現在のホテルです。
建築とデザインを手がけたのは、建築家の隈研吾氏。
館内のあちこちに和のモチーフが使われていて、都心のホテルでありながら、落ち着いた日本らしさを感じられます。
客室は8タイプ
客室は18階から29階。27〜29階がクラブフロアで、専用ラウンジ「SaRyoh」が使えます。
| 部屋タイプ | 階 | 広さ |
|---|---|---|
| デラックス キング/ハリウッドツイン | 18〜26階 | 44.8㎡ |
| プレミア コーナーキング/コーナーツイン | 18〜26階 | 57.8㎡ |
| プレミア キング | 18〜26階 | 63.5㎡ |
| クラブ デラックス キング/ハリウッドツイン | 27〜29階 | 44.9㎡ |
| クラブ プレミア コーナーツイン | 27〜29階 | 59.3㎡ |
| クラブ プレミア キング | 27〜29階 | 64.5㎡ |
| ジュニア スイート | 29階 | 64.5㎡ |
| エグゼクティブ スイート | 27〜29階 | 104.7㎡ |
| ガーデン スイート | 5階 | 105.5〜123.8㎡ |
今回泊まったのは「プレミアキング」。63.5㎡と、都心のホテルとしてはかなりゆとりのある広さです。
プレミアキングのお部屋
まず目に入るのが、障子を思わせる窓の格子。
カーテンではなくこの障子で光を調整する造りで、閉めていても柔らかい光が入ってきます。
開けてしまえば、外の景色がそのまま入ってきます。
閉めるか開けるかで部屋の表情が変わるので、時間帯によって使い分けるのが良さそうです。
63.5㎡をベッドとリビングで分けて使う構成で、間仕切りはありません。
そのぶん奥行きがあり、実際の数字よりも広く感じました。
ソファ、アームチェア、オットマンと、座る場所が複数あるのがありがたいところ。
2人で泊まっても、それぞれ別の場所でくつろげる配置です。
ベッド
ベッドはキングサイズ。
ヘッドボードの上の壁には和柄が入っていて、行灯のような照明が左右に配置されています。
夜に照明を落とすと、この行灯が部屋全体の雰囲気を決めていることがよく分かりました。
デスク
デスクもしっかりした広さがあり、仕事をするにも困りません。
ルームサービスのメニューはQRコードで読む方式になっていました。
眺望
窓の正面はビルが並びますが、右手には木が続いていて、都心にしては緑の多い眺めです。
晴れた日は遠くまで見通せました。
そして、このホテルの眺望で特徴的なのが、日枝神社を見下ろせることです。
ビルに囲まれた場所なのに、窓の下には緑と社殿の屋根が広がっています。
ビルの谷間にこれだけの緑が残っている場所は、都心でもそう多くないと思います。
水まわり
洗面はダブルシンク。
カウンターがとにかく広く、2人分の荷物を広げても余裕がありました。スツールも置かれていて、腰かけて支度ができます。
アメニティはTHÉMAÉ PARIS(テマエ パリ)。
お茶の成分を使ったスキンケアブランドで、「Douceur de Thé」というラインが入っていました。和を軸にしたこのホテルに、お茶由来のアメニティというのは筋が通っています。
バスルーム
バスタブとシャワーブースが分かれているのが嬉しいところ。
湯船に浸かる前にシャワーで流せるので、日本人には使いやすい造りです。
ガラス張りなので、閉めていても圧迫感がありません。
トイレ
トイレは独立していて、手洗いも別に付いています。
バスルームを使っている間もトイレが使えるので、2人で泊まるときはこの造りが効いてきます。
アメニティ
歯ブラシ、ヘアブラシ、カミソリ、コットン、ヘアバンド、シャワーキャップまで一通り。
「Green Coin」というカードが入っていて、清掃を辞退するとその分が環境活動に回る仕組みのようです。
クローゼット
ハンガーの数が多いのが、地味にありがたいところでした。
アイロンとアイロン台、靴磨きも揃っています。
ミニバーとお茶まわり
ネスプレッソのマシンとケトルが置かれています。
グラスはワイングラス、タンブラー、ロックグラスと揃っていて、部屋で飲む前提の構えです。
上段にはポップコーンやポテトチップスなどのスナックも。
お茶とコーヒーのカプセルは、赤い漆の箱に収められていました。
こういうところに和を持ってくるのが、このホテルらしいと思います。煎茶にもホテルのロゴが入っていました。
引き出しを開けると、ウイスキーやジンのミニボトル、ムートン・カデの赤ワイン、それに湯呑みが入っていました。
栓抜きとメニュー表も同じ引き出しに。
冷蔵庫にはビール、ソフトドリンク、ペリエ、evian、白ワインまで。
一通り揃っているので、外に買い出しに行かなくても済みます。
ウェルカムのおもてなし
テーブルには生花とお菓子、ミネラルウォーターが用意されていました。
ホテルのロゴ入りの包みと和紙が添えられていて、こうした一手間があると、部屋に入った瞬間の印象が変わります。
ホテル情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | ザ・キャピトルホテル 東急 |
| 住所 | 東京都千代田区永田町2-10-3 |
| 電話 | 03-3503-0109 |
| アクセス | 東京メトロ 溜池山王駅・国会議事堂前駅から地下直結 |
| 開業 | 2010年10月22日(前身は1963年開業の東京ヒルトンホテル) |
| デザイン | 隈研吾 |
| 客室 | 18〜29階(27〜29階はクラブフロア) |
| レストラン | 日本料理「水簾」/中国料理「星ヶ岡」/オールデイダイニング「ORIGAMI」/ザ・キャピトル バー ほか |
| 館内施設 | 20mの屋内プール、フィットネス、スパ(宿泊者はプール・ジム無料/ロッカールーム2,200円) |
| 公式サイト | https://www.tokyuhotels.co.jp/capitol-h/index.html |
オールデイダイニング「ORIGAMI」はパンケーキが有名で、宿泊しなくても利用できます。
泊まる前に知っておきたいこと
良いホテルであることは間違いないのですが、事前に知っておいたほうがよい点もいくつかあります。いずれも公式サイトと一休.comの施設情報で確認できる内容です。
- 大浴場や露天風呂はありません。 都市型ホテルなので当然ではありますが、温泉目当ての滞在には向きません
- プールとジムは宿泊者無料ですが、ロッカールームは有料です。 20mの屋内プールとフィットネスは無料で使えるものの、バス・サウナ・リラクゼーションを含むロッカールームの利用は1回2,200円(税込)。着替えは客室で済ませて向かう必要があります。なおクラブフロアに泊まると、このロッカールームも無料になります
- ルームサービスは24時間対応ではありません。 深夜に何か頼みたい方は、時間を確認しておいたほうがよさそうです
- 観光の拠点としては便利な場所ではありません。 永田町は官庁街なので、夜に外へ食事に出るなら赤坂まで歩くことになります
逆に言えば、ホテルにこもって過ごす滞在を前提にすると、これらはほとんど問題になりません。
泊まった人の評価(一休.com)
自分の感想だけでは偏るので、他の宿泊者の評価も見ておきます。
一休.comのクチコミは158件で総合得点4.78(2026年8月時点)。項目別では次のとおりです。
| 項目 | 得点 |
|---|---|
| 総合 | 4.78 |
| 施設・設備 | 4.84 |
| お食事 | 4.82 |
| 客室・アメニティ | 4.78 |
| 満足度 | 4.77 |
| 接客・サービス | 4.75 |
| 温泉・お風呂 | 4.73 |
全項目が4.7を超えていて、突出して低い項目がありません。
比較的低いのが「温泉・お風呂」ですが、これは大浴場がないホテルなので、評価の性質上そうなるのだと思います。
宿泊料金の目安
一休.comの表示で、素泊まり2名で98,935円〜、夕朝食付き2名で83,018円〜(いずれも税込・2026年8月時点)。
プランと時期でかなり変動するので、実際の日程で確認してみてください。
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泊まってみて
永田町という場所は、正直なところ観光には向きません。
ただ、その分だけ静かで、都心にいながら落ち着いて過ごせます。窓の下に日枝神社の緑が広がっているのを見ていると、ここが東京の真ん中だということを忘れそうになりました。
63.5㎡という広さも効いています。
ソファと机とベッドがそれぞれ独立して使えるので、部屋にこもって過ごす滞在にも向いていると思います。
和を軸にしたホテルは増えましたが、押しつけがましくない和というのは、案外むずかしいのではないでしょうか。
漆の箱に入った煎茶や、障子の窓のような細部に、その加減の良さが出ていたように思います。
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