地物の食材が楽しめる金沢のモダンフレンチといえば ENSO
金沢駅から車で南へ10分ほどのところにある【ENSO(エンソ)】。
正式名称は【Installation Table ENSO L’asymetrie du calme(インスタレーションテーブル エンソ ラシンメトリー ドゥ カルム)】といいます。とっても長い店名!
洋館に入ると、懐かしさを感じる空間。
明治時代に建てられ、昭和の初めに洋裁学校に改築した建物だそうです。
店内に入ると白と木目を基調とした広々明るい空間。
席もゆったりです。
使用する食材がイラストで描かれた遊び心溢れるコース
ランチ時に訪問。ランチ、ディナー共に1コースのみ18,150円(税サ込)となります。
北陸を中心に手に入る旬のベストな食材を使い、食材本来のポテンシャルを最大限に引き出した料理がいただけるとのこと。
料理に使用される食材が順にイラストで表現されており、「これは鰹かな?」とか「次の食材は何だろう?」とワクワクさせてくれます!
安心院ワイン スパークリングで乾杯。
安心院で収穫されたシャルドネを100%利用し、国内でも珍しいビン内二次発酵にて製造されたスパークリングワインです。
加賀蓮根と海老
加賀蓮根を刻んだものと海老のすり身を合わせて。
衣代わりに大葉を刻んだものを纏わせ、素揚げにしました。上には雲丹が乗っています。
まず大葉が香り、咀嚼すると蓮根のシャキシャキとした食感と海老の甘みが。
セルフィーユルートのムース
セルフィーユルートのムースの周りにはトリュフの香りをうつした飴、そして削ったトリュフ。
口に含むとトリュフの香りが広がり、飴とムースはスッと溶けるやわらかさで余韻が素晴らしいです。
能登 もくず蟹のビスク
もくず蟹のビスクに蟹で作ったガレットを乗せて。
ガレットはスプーンで崩していただきます。美しくて崩すのがもったいない!
濃厚な蟹の旨みもありつつ、スッキリとした味わいです。
スナップエンドウのタルト
蓋を開けると綺麗な緑色のタルトが!生地はごく薄め。
マリネにしたスナップエンドウ、下には燻製にしたイカとにんにくの芽を合わせたピューレ。
にんにくの香りと、ぷちっと弾けるスナップエンドウの甘みが面白い一品。
能登 牡蠣
62度の低温調理をし、見た目や食感はかなり生に近い美味しさです。
ソースは牡蠣の出汁とサワークリームを合わせたもの。
そしてキウイソースをピューレにしたものを掛けており、甘みと酸味が楽しめます。
ぷちぷちとした食感と酸味のフィンガーライムも隠れています。
そしてもう一品、フレッシュな牡蠣を使ったクリームの牡蠣マカロン!
メレンゲのサクサク感と、思っていた以上に牡蠣の磯っぽさが出ていて驚き。
グラスの白ワインを2種類いただきました。
お米と菊芋のフラン、能登鰻
菊芋のフランに焼いた能登鰻。
コンソメと木の芽のオイル、そしてフリットにしたお米を合わせています。
鰻とコンソメの濃厚な味わいがとても美味しいです。
富山・新湊 迷い鰹
迷い鰹を神経締めにし、藁で燻したものを。
合わせるのはラタトゥイユ、芽ネギ、ミニキュウリ、赤紫蘇。
ソースは柑橘とハーブを合わせたセビーチェソース、シェーブルチーズのアイスクリーム。
脂が乗った鰹と、シェーブルチーズのヤギミルクのクセとの組み合わせは斬新!
いくら
宝石のような綺麗なお皿。
一番下には蕪のムース、2層目はミント香る胡瓜のピューレ。
そして一晩漬けたいくらがたっぷりと。
胡瓜の青臭さとミントの爽やかさが印象的で、ぷちぷちのいくらによく合います。
月の輪熊のしゃぶしゃぶ
シェフがテーブルで仕上げをしてくれます。
熊肉はもも肉をマリネしたもので、コンソメの余熱でしゃぶしゃぶ。
熊のコンソメ、原木なめこ、珠洲の松茸と共に。
コンソメがとても力強く、深い味わいです。
レアでやわらかく、臭みなどは一切なく食べやすいです。
ビーツの混ぜ麺
具はビーツ、マッシュルーム、茨城の梅山豚のタルタル。
マスカルポーネチーズとカレー風味のパン粉を乗せて。
麺は石川県羽咋市、首里製麺さんの「モーリー麺」を使用しています。
具と麺を混ぜるとビーツの綺麗な赤色に!
マスカルポーネのまろやかさとスパイシーさが不思議な組み合わせ。麺はやわらかでつるっとしています。
ピタパン
次の魚料理に合わせて温かいピタパンを。
輪島 アラのポワレ
蒸し焼きにしたアラにナスタチウム。下にはムール貝と野菜の煮込みを敷いて。
ソースはベルモットとハーブ、魚介類の出汁を加えたベルモットソースです。
アラのプリプリとした弾力がたまりません。
シリアルブレッド
次のお肉料理に合わせて。
みちっと密度が濃く、酸味と噛みごたえのあるシリアルブレッド。
京都 合鴨のロースト
合鴨を2週間熟成し、低温ローストして炭火で仕上げています。
香ばしさがありつつ鴨肉はやわらか。
レンズ豆の煮込み、ジロール茸のソテー、赤ピーマンと浅利のピューレ、キャラメリゼした落花生
骨から取った出汁のソースは旨みたっぷりで絶品です。
右側の合鴨のリエットには無花果、インカのめざめのピューレを乗せて。
洋梨と柚子のスフレ
メレンゲと柚子の皮を合わせてスフレにし、間にはアングレーズソース、上にフロマージュブランのムース。
その上にコンポートにした洋梨とミントを。
洋梨のアイスクリームと、甘酸っぱいルバーブのピューレを添えて。
サッパリとして軽く、爽やかなデザートです。
小菓子とお茶
最後は小菓子とお茶を。可愛いビジュアル!
ホワイトチョコレートボンボン、タルトタタン
ホワイトチョコレートボンボンの中には能登塩を使用したリキュールが入っています。
タルトタタンは苦味がしっかりとある大人の味。
能登 栗の渋皮煮のチョコレートコーティング
見た目がとっても可愛く、食べるのがもったいない!
程よい甘さの栗にチョコレートがコーティングされています。
水出し紅茶
静岡の茶葉を使用しているそう。
スッキリとした紅茶を飲みながらいただく小菓子は幸せの時間です。
ENSO まとめ
能登の素材をふんだんに使用しているのがとっても嬉しい!
フレンチにしては軽く、繊細なお料理だったので最後まで美味しくいただけました。
スタッフの方の接客や説明も丁寧で、とても気持ちの良いランチになりました。