全国からファンが集まる鰻の有名店 う嵐(うらん)
滋賀県大津市、三井寺駅近くにある鰻店「う嵐(うらん)」。
決して便利な場所ではないのですが、全国からう嵐ファンが集まります。現在は新規予約不可とのこと。
独自の焼きや温度にもこだわる、研究所のようなお店。
割く前や捌いた後の鰻を見せてくれて、その都度ご主人が丁寧に説明してくれます。
単品注文なので、人数やお腹の具合で何尾焼いてもらうのか等相談しつつオーダー。
箸置きが鰻でした。可愛い。
肝焼き
肝は「かおり焼き」で。タレではなく塩を振っています。
ぎゅっと凝縮した旨味と香りの良さ。嫌な感じが一切しません。
長野・安曇野の山葵をつけても。
白焼き
宮崎県「中村養鰻場」オリジナルブランド「味鰻」を使用しています。
とても大きく重量感のある鰻！
白焼きは串にくるくるっと巻き付けた「己蒸し」という焼き方で。
身はふわふわでパサつきがなくとてもしっとり。
皮はパリパリで、脂の甘さを感じます。
白焼きは頭をつけたまま焼くのですが、その頭の状態でも味わいが変化。
ひとつは舌を突き出すように大きく口を開けた「龍のさえずり」。
ヤカンの口から湯気がでるように、鰻の口から熱が出が出るそう。
もうひとつは舌が閉じた「龍のささやき」。
こちらの方が味が濃く脂の感じもなめらか。
小さな違いではありますが、こんな食べ比べをしたのは初めてです。
タレ焼き1
こちらも「味鰻」を使用。長さは約70cm！
通常３回タレに潜らせるのですが、その度に温度が下がり脂が落ちてしまいます。
そこでタレを1回にすることで温度が下がるのを極力抑え、旨味のロスを防ぐというもの。
白焼きでは熱を逃がすために頭をつけたままでしたが、こちらは熱を逃さないため口をカット。
提供時に温度を計ってくれるのですが、なんと内部は99度近くまで上昇していました。
定食スタイルで提供してくれます。ご飯が嬉しい！
鰻のタレ焼きといえばタレの主張が強い印象ですが、こちらはタレの感じが抑えられ、鰻の旨味を楽しむことができます。
かといって味が薄いこともなく、ふわふわとした身でバランスの良い焼き方と感じました。
美味しい鰻には、やはり白米が欠かせません。
ぱりっぱりで香ばしい鰻の頭もいただきました。
タレ焼き2
タレ3度付けで焼いた伝統技法の鰻もいただきました。
一升瓶と比べると分かる、その大きさ。
タレがしっかりと浸透しているので、ご飯が進む味の濃さ。
脂は程よく落ち、サクッと感が強まります。
ちなみにタレは醤油と味醂だけで作っており、1週間寝かせて1週間で使い切るそう。
お米は近江米のキヌヒカリを使用しているとのことです。
最後はお茶漬けにしていただきました。
お出汁と山葵でサッパリ。
う嵐 まとめ
鰻屋さんでこんなに丁寧に説明をしてくださったのは初めて。
ご主人の鰻に対する愛や情熱をダイレクトに感じられ、まるで劇場に来たかのようなひとときでした。
鰻の焼き方ひとつでこんなにも違うのか、と感動。
出していただいたもの全てが大変美味しく、ご主人のお人柄含めファンになる人が多い理由が分かりました。
