素材を活かす絶品の鮨と、温かなホスピタリティの鮨つぼみ
名店「鮨さいとう」グループの鮨店【鮨つぼみ】。
大将は川口 蛍椰(かわぐち けいや)氏が務めています。
洗練された技術と丁寧な所作、そして素材を最大限に活かすシンプルな調理法で、一貫一貫に想いが込められています。
魚の仕入れ先は「鮨さいとう」と同じですが、大将が愛媛県松山市出身ということもあり、独自のルートで仕入れた雲丹などを楽しむことができます。
魚の下処理から切り付け、握りに至るまで、雑味を極力省き、旨味だけを引き出す職人技が光ります。
シャリは赤酢と塩のみで仕上げられており、季節や気温、客の来店時間に合わせて水分量を調整し、ネタに合わせて温度も変えるという徹底ぶりです。
若き大将とチームのホスピタリティ
カウンターに立つ川口大将は、朗らかで物腰柔らか。
礼節を大切にしつつ、気さくな笑顔で接してくれる姿勢に、訪れる側も自然とリラックスできます。
若手スタッフも含め気配りが素晴らしく、所作のひとつひとつに丁寧さが感じられます。
おまかせコース
つまみと握りのおまかせコースは33,000円 (税込) 。
ランチのにぎりコースは16,500円 (税込) と、昨今の鮨店の値上がりぶりに比べると良心的な価格設定です。
玉蜀黍すり流し
愛媛県松山市で作られている油揚げの一種「松山揚げ」を浮かべています。
玉蜀黍の皮、芯、昆布で出汁を取っているそう。
さらりとした口当たりでやさしい甘みです。
茄子の揚げ浸し
冷たい仕立てです。
じゅわっとジューシーでお出汁の旨味たっぷり。
北海道 北寄貝しゃぶしゃぶ
北寄貝は出始めだそうですが、身厚で食感が良いです。
柑橘のつけだれで爽やかに。
鰯の海苔巻き
酢締めした鰯を海苔で巻いて。
上にはネギ味噌が載せてあり、なめろうのような味わいになります。
蛸のやわらか煮
驚くほど柔らかですが、蛸の旨味はしっかりと残っています。
柔らかさを引き出すために一度-60℃で冷凍してから、1時間ほど煮ているそうです。
噴火湾 毛蟹
土佐酢ジュレと穂紫蘇を添えて。
毛蟹の豊かな旨味と甘みを、土佐酢ジュレの酸味が引き締めています。
太刀魚のフリット
とても肉厚で大きな個体です。
ぷくっと膨らんだ軽い衣の中には、保水された太刀魚のふっくらとした身。
以前いただいた時より衣のカリッと感が保たれていて、外と中のコントラストが素晴らしかったです。
衣はセモリナ粉を使用しているそうです。
メイチダイ
ここから握りへ。
むちっと肉厚なメイチダイはくにくにとした食感で、噛めば噛むほど旨味が広がります。
シャリは優しい酸とお米の旨味、以前より粒の存在感も感じました。とても好みなシャリ。
ガリと大根のお漬物。
少なくなるとすぐにスタッフさんが補充してくれます。
サゴシ
軽く漬けにしたサゴシは、口に入れた瞬間に溶けていきます。
脂感がとても良く、香りと甘みをいつまでも感じていたくなります。
新子
去年はこの時期に鮨をいただかなかったので、とても久しぶりの新子です。
3枚付です。小肌とは違うフレッシュ感と艷やかさ。
鮪 血合いぎし
カナダの228kg、大きな個体の鮪です。
鉄感と脂のバランスが良いです。
中トロはがし
こちらもカナダ。
シャリの温度も変えており、温かめです。脂の甘みの広がりがたまりません。
大トロ
塩釜の個体。
中トロのシャリも温かいなと感じたのですが、それ以上の高い温度。
高温でじゅんわりと蕩ける脂を楽しめます。
これだけ脂や香りが立っても、臭みや嫌な感じがしないのが素晴らしいです。
夏は鮪の難しい時期ですが、海外産や冷凍などで工夫されているため、美味しい鮪がいただけるのがありがたいです。
三重 泥障烏賊
冷凍して薄切りし、更に千切りにしています。
甘さとねっとり感が存分に味わえ、とろけるよう。いつまでも咀嚼していたくなります。
塩と酢橘の爽やかさもたまりません。
車海老
茹でたての、透明感のあるレアな仕上げ。
甘みとプリッと感が好みのドンピシャです。
長崎 鯵の押し寿司
しっかり冷やしての提供です。ネタによる温度差が楽しいですね。
鯵はぷりぷりの食感で、脂と甘み、旨味が揃っています。
愛媛・中島 赤雲丹
なんと赤雲丹は2種類の食べ比べ。贅沢です…
中島の赤雲丹は甘みとフレッシュ感、鼻に抜ける香りがクリアです。
愛媛・下灘 赤雲丹
同じ愛媛ですが、食べ比べをすると違いが面白いです。
下灘はまったり濃厚で余韻が伸びていく感じ。
どちらも美味しい…幸せです。
穴子
ふわっとエアリーで、穴子に染みた味も甘すぎず邪魔をしません。
お椀
赤出汁のお椀。
太巻き、稲荷、玉子
右から順番にいただきます。大好きな定番セットです。
(でもこれで最後なので寂しい気持ちも…)
太巻きはたっぷりの鮪、甘く炊いた椎茸になめらかな玉子、そしてシャキシャキの胡瓜で食感のアクセント。
稲荷は松山揚げを使っており、独特のもちっとやわらかな食感。
甘いお出汁がじゅんわり溢れます。
玉子はプルプルでプリンのようなやさしい甘さ。
オレンジジュース
デザート代わりにオレンジジュースをいただきました。
酸味が穏やかで味が濃く、美味しいです。
ワインと日本酒が映える、透明感のある鮨
雑味のないクリアな味わいの鮨は、日本酒やワインとの相性も抜群。
ペアリングを楽しめるように、お酒のラインナップも豊富に用意されています。
味わい豊かなつまみと握りと共にいただくお酒は、どれも料理の余韻を深めてくれます。
この日は日本のスパークリングワインをいただいた後、おまかせで日本酒をお願いしました。
フジクレール 甲州スパークリング
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寫楽(写楽) 純米吟醸 播州愛山
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黒龍 大吟醸 しずく
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新政 純米酒 亜麻猫 スパーク 2024
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雨後の月 純米大吟醸 愛山
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鮨つぼみ まとめ
「鮨つぼみ」は、素材そのものの力を引き出す繊細な握りと、職人の丁寧な所作が印象に残るお店。
シャリやネタの温度、盛りつけの美しさなど細部まで心が行き届いており、じんわりと記憶に残るような体験ができます。
毎回訪れるのが楽しみな鮨店です。
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予約方法
OMAKASEより予約可能。
https://omakase.in/ja/r/ew859763