あじゅう田丨実直かつ工夫が光る、奥渋の江戸前鮨 @東京・神泉

あじゅう田丨実直かつ工夫が光る、奥渋の江戸前鮨 @東京・神泉

神泉・奥渋に誕生した進化系江戸前鮨 あじゅう田(Ajuuta)

渋谷駅からセンター街を抜け、オーチャードロードを少し進んだ先。
ビルの地下にある鮨店が「鮨 あじゅう田(あじゅうた)」です。

2021年にオープンし、比較的新しいながらも食べログ百名店に選出され、現在は渋谷エリア屈指の実力店として知られています。

店内と雰囲気

エレベーターで地下へ降りると、黒を基調としたシックな空間が広がり、檜の一枚板カウンター8席が印象的。
席間もほどよく取られており、居心地の良い造りです。

メインカウンターでは阿重田博紀大将がすべての握りを担当。
緊張感のある仕事ぶりながら、会話になると柔らかく、終始リラックスした雰囲気で食事を楽しめます。

大将・阿重田博紀氏について

阿重田氏はフレンチの料理人としてキャリアをスタートし、その後25歳で鮨の世界へ転身した異色の経歴の持ち主。
現在も試行錯誤を続けており、その探究心の強さがこの店の個性を形づくっています。

シャリへの徹底したこだわり

あじゅう田の大きな特徴がシャリ。
当初は赤酢を使っていましたが、仕入れるネタとの相性を追求する中で白酢に変更。
さらに現在は、米酢+穀物酢を数種類ブレンドし、塩はマルドン(イギリス)とゲランド(フランス)も使う独自配合へと進化しています。

仕入れとネタのクオリティ

マグロは「やま幸」、その他の魚は「ウエケン」など、信頼関係を築いた仕入れ先から。
鮪以外のネタも非常にレベルが高く、どの一貫にも妥協を感じさせません。

奇抜な方向には振らず、素材そのものに合った仕込みと仕事で構成されており、自然体でオリジナリティを感じられる握りです。

おまかせコース

おまかせコースは33,000円(税込)。
ドリンクはグラスやボトル注文が可能ですが、今回はペアリング 14,300円(税込)をお願いしました。

ハタ酒蒸しのお椀

澄んだお出汁と柚子の爽やかさ。
皮との間のコラーゲン感が良いです。

明石 真鯛

山葵と塩、またはお醤油で。
コリッと弾力があり、噛むほどに味が出てきます。

蝦夷鮑 塩茹で

とても大きな蝦夷鮑。
水と塩だけで茹でたそうですが、しっかりとした味わいです。

九州 スマガツオ

皮目を炙ったスマガツオは、塩ポン酢とかんずりでいただきます。
塩ポン酢がとても美味しくて、スマガツオの脂との相性は抜群です。

大トロ

大トロ、腹中トロは130kgの個体を乾燥熟成したもの。
変な香りや味は一切なく、脂と香りを純粋に楽しめます。

赤身

赤身、背中の中トロは同個体。
赤身特有の抜ける香りと繊維のきめ細かさがたまりません。

腹側の中トロ

ギュッと噛むごとに脂が出ますが、重すぎずスッキリしています。

背中の中トロ

身のやわらかさが際立ち、余韻の酸味と香りが良いです。鮪の中では一番印象的でした。
今の時期美味しい鮪を4種類もいただけて感激でした。

あん肝

やや甘めの味付けで、あん肝の濃厚さでお酒が進みます。
とても丁寧に処理されていて、綺麗な味わい。

むちっとふかふかの鰻を蒲焼きに。

白子酒蒸し

手渡しでの提供。あえて温度を落としているそうです。
ややねっとりとした食感で、白子のまろやかさと塩のキリッと感がとても美味しい。
白子に全く臭みがないので塩で成立します。

少し温度は低めに感じました。
脂がしっかり乗っていてやわらかな質感。

墨烏賊

コリコリ感が楽しめ、噛むと甘みが広がります。

小肌

保湿のためにわざと煮切った無添加のみりんを入れているそう。
キリッとした酸味がありますが、身の柔らかさも同時に味わえます。

平川水産 浜中 雲丹

立派な雲丹をたっぷりと載せ、軍艦に。
クリアな甘みが広がります。

明石 鯖の腹と背

わざと終盤にコリっとした食感を入れているそうです。
酢締めではなく塩締めにした鯖は酢締めと全く違うフレッシュ感。
程よい弾力と柔らかさ、そして脂を楽しめます。

穴子

穴子は臭みが全くないので塩で。ふわふわの食感に驚きます。
他の有名店でも、この仕上がりの穴子はなかなか出会えないと思いました。

味噌汁

お酒をいただいたので、最後のお味噌汁は体に沁みます。

玉子

帆立のすり身、焙じ茶、黒糖で作ったプリンのような玉子。
焙じ茶を使用するのは大将が好きだからだそうです。
スイーツ感覚でいただけるので、普通の玉子よりむしろ好みでした。

ワインと日本酒を織り交ぜたペアリング

つまみや握りに合わせてペアリングを。合わせて400ml程度とのことです。
新政や鍋島など、美味しいお酒でつい飲みすぎてしまいました。
ワインも美味しかったです。

あじゅう田 まとめ

「渋谷で鮨」というと、正直あまりイメージが湧きませんでしたが、奥渋エリアにあるあじゅう田は別格。
渋谷駅から徒歩圏内で、ここまで完成度の高い江戸前を味わえる店は貴重です。

価格帯は決して安くはありませんが、探究心を絶やさず進化を続ける大将の姿勢、ネタとシャリの完成度、空間の質を考えると、納得感のある一軒。むしろ割安感があります。
渋谷エリアで鮨を探すなら、間違いなく候補に入れておきたいお店です。

予約方法

食べログから予約可能。
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13257494/

店舗情報

あじゅう田

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