日本料理 晴山丨出汁と季節に向き合う、ミシュラン二つ星の正統派和食@東京・三田

日本料理 晴山丨出汁と季節に向き合う、ミシュラン二つ星の正統派和食@東京・三田

出汁と季節を研ぎ澄ませた名店で味わう、冬の深み 日本料理 晴山

港区三田のビル地下。
日常の喧騒から一段階下りた場所に、完全予約制の日本料理店「晴山」はあります。

地下へと続く静かな階段、石畳のアプローチ、扉の向こうに広がる落ち着いた空間。
その一連の導線が、自然と気持ちを切り替えさせてくれ、 「これから料理に集中する時間が始まる」 という感覚をつくってくれます。

席間にもゆとりがあり、隣の会話が気にならない距離感。
今回は半個室にて食事をしました。

店主 山本晴彦

店主の 山本晴彦(やまもと はるひこ)氏 は、岐阜の名店「たか田八祥」出身。

25歳で「支店わかみや八祥」、29歳で「支店こがね八祥」の店長。
2011年、31歳で三田にて「晴山」を独立開業しました。

独立から わずか1年半でミシュラン二つ星を獲得。
2025年現在もその評価を継続しています。

修業店で培った基礎力と、独立後に磨かれた独自の感性。
その両方が、現在の晴山の料理に、そのまま反映されている印象です。

出汁と季節を軸にしたおまかせコース

晴山の料理は、出汁と季節の食材を中心に、温度・香り・質感の段階がはっきりと設計されたコース構成が特徴です。
最初の一皿から最後の余韻まで、流れに無駄がなく、一品ごとにしっかりと集中して味わえる構成になっています。

鰤の昆布締め

北海道・積丹の鰤を昆布締めにし、薬味おろしを載せて。
昆布感は優しめ、柔らかでややねっとり感のある鰤で、薬味とぴったりです。

明石 鰆と香茸の春巻き

鰆の強い旨みと香茸の香りが閉じ込められた、パリッパリの春巻き。
面白い組み合わせと味付けもしっかりめで、印象に残る一品でした。

勢子蟹 真丈のお椀

鼻に抜ける香りが力強い、澄んだお出汁に、ほぼ蟹の真丈。
ふわふわで蟹の旨みたっぷりです。

山口 天然虎河豚、あん肝

天然虎河豚に、あん肝、刻み葱、酢橘とポン酢を添えた一皿。
トラフグの淡い旨味に、あん肝の濃厚なコクが重なり、味わいに奥行きが生まれます。
もみじおろしのほどよい辛味と酸味が後味を整えます。

白子粥

白子ならではのまろやかな旨味が米と溶け合い、冬を感じさせる奥深い味わい。
最初のひと口から強く印象に残り、黒七味のふくよかな香りと程よい辛味が全体を引き締めてくれます。
その余韻が自然と次のひと口を誘う、完成度の高い一品です。

淡路 白甘鯛、聖護院蕪

カリッと揚げた皮をふわりと重ねた一皿。
白甘鯛の香ばしさとしっかりした旨味に、聖護院蕪のやさしい甘み。
滋味のある、穏やかな余韻が印象に残ります。

越前蟹のコロッケ

なめらかなベシャメルソースの中から、越前蟹の香りと旨味、そして蟹味噌のコクがじんわりと広がるクリームコロッケ。
サクッとした薄い衣の中に、濃厚でやさしい味わいが詰まっています。
添えられた玉葱ソースのまろやかな甘みとほどよい酸味が、全体を引き締めます。

治部煮

香ばしさを含んだ鴨は、大ぶりで噛むほどに旨味がにじみ出ます。
大なめこの豊かな風味や春菊の青々しい香りが最後にふわりと広がり、三つの素材それぞれの個性が、出汁の中で穏やかに溶け合う仕上がりになっています。

梭子魚といくらのご飯

焼いた梭子魚の香ばしさと、ふっくらとした身の旨味がご飯とよくなじみます。
そこに、いくらのやさしい甘みとコクが重なり、たまらない美味しさ。
食べきれない分はお持ち帰りさせていただきました。

おけさ柿のデザート

おけさ柿、ラム酒のアイス、和三盆ソースの構成。
柿のやわらかな甘みに、ラム酒の香りがふんわりと重なり、和三盆の上品な甘さが全体をやさしくまとめます。
重たさのない、すっと心地よく終われるデザートでした。

日本料理 晴山 まとめ

席数が多いのにどれも丁寧で安定した美味しさで、いつもワクワクさせてくれます。
コースの中に強烈に印象に残る料理があるのも素晴らしいです。

晴山は、料理だけでなく サービスの質も非常に安定しています。
スタッフの人数も十分に配置されており、グラスの様子や料理の進行も自然に見てくれるため、快適に食事が進みました。

数年前から比べるとお値段は上がりましたが、料理のクオリティ、空間、サービス。
すべてを総合して考えると、非常にバランスの取れた一軒です。

予約方法

OMAKASEから予約可能。
https://omakase.in/ja/r/ko509151

店舗情報

日本料理 晴山

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