なかむら丨成生出身、食通も虜になる進化し続ける天ぷら@静岡・焼津

なかむら丨成生出身、食通も虜になる進化し続ける天ぷら@静岡・焼津

2023年5月開業、既に予約困難の天ぷら なかむら

2023年5月2日に独立開業した天ぷら店【なかむら】。
焼津駅南口から徒歩4分程の住宅街の中にあります。

店主の中村友紀氏は1985年、静岡県吉田町生まれ。
静岡市葵区にある天ぷらの名店「成生(なるせ)」で、志村剛生氏のもと30歳から修行を始め、二番手として活躍しました。真剣な眼差しと男前な風貌が印象的です。

開業直後からすでに予約が取れないほどの人気で、月に一度の予約受付は電話が全くつながりません。

店舗は、16年前に閉店した老舗日本料理店「月の森」を改装。カウンター7席のみで、カウンターテーブルの漆は店主が自ら塗ったものです。

サスエ前田魚店の魚や静岡の食材を使った天ぷらコース

カウンターの向こうには、かつて修行した「成生」を思い出させる野菜たちが並んでいます。魚は、サスエ前田魚店の前田尚毅氏が厳選した質の高いものを使用。

料理はおまかせコースのみ。
飲み物を含めたお会計は2万円台前半で、良心的な価格です。

カウンター越しに、天ぷらを揚げる姿も間近で楽しめます。

落花生すり流し

落花生と魚の出汁で仕立てた一品は、驚くほどコクがありながらも、口当たりはサラッとしています。
カリッとした落花生がアクセントになり、最後の一口まで楽しませてくれる一品です。

お造りで提供される鯵は、鮮度抜群。
ぷりっとした食感が心地よく、噛むたびに感じる甘みが際立ちます。酢橘の爽やかさも少し。

えぼ鯛

肉厚でジューシーな身は、口の中でふわりとほぐれます。
強めの塩気がアクセントとなり、えぼ鯛の自然な甘さを引き立てています。

オクラ

シャキシャキとした食感とフレッシュ感と軽い粘りで、咀嚼が楽しい一品。

丸茄子

一度揚げてから寝かせて、数分経ってからカットして提供されます。
以前訪問した際はしんなり感が強かったものの、今回は衣のパリッと感と茄子のとろける食感が絶妙なバランスで、さらに洗練された味わいになっています。
中は対照的に、やわらかでとろけるような食感です。

黒睦

小さいサイズの黒むつ。しっとりとした身で、ほろりと崩れていきます。
脂が乗っていますが後味はスッと脂が引いて残りません。

清水 銀杏

ややむっちりとした食感に、ほくほく感と銀杏特有のほろ苦さがたまりません。

富士宮 大浦牛蒡

新牛蒡でまだ小ぶりなサイズのものを使用しています。
ほくほく、甘みと水分たっぷりで牛蒡とは思えない味わいです。

白甘鯛

鱗はカリッと仕上がっており、独特の香りがします。
噛むたびに魚の旨味がじわっと広がり、いつまでも味わっていたくなります。

鯵と烏賊の磯辺揚げ

鯵と烏賊を叩いてから海苔で巻いた一品。
ふんわりとした食感に加え、鯵の香りと烏賊の甘みが見事に調和しています。

どうまん蟹、烏賊と野菜の酢の物

お口直しの酢の物。
さっぱりとした味わいで天ぷらの余韻をリセットし、次の料理に向けて口の中を爽やかに整えます。
どうまん蟹の味が濃くて幸せな気分。

メークイン

皮はパリッと、中はほっくりさとねっとり感。
芋の自然な甘みと香りが凝縮され、たまらない美味しさです。

赤烏賊

これで一杯のサイズ。
油の香りと赤烏賊の密度の濃い旨味が相まって、天ぷらとしてのポテンシャルを最大限に引き出しています。
この日一番印象に残った天ぷらでした。

梭子魚

梭子魚特有の香りが揚げることでさらに引き立ち、口に運ぶとすぐにその豊かな風味が広がります。
後味に脂のねっとり感も良いです。

金目鯛、胡瓜

甘めの中華っぽいタレをかけて。創作系の天ぷらもちょこちょこ出てきて楽しいです。
金目鯛の旨味と胡瓜の青っぽさがよく合います。

安納芋

ゆっくりと時間をかけて揚げ、さらに寝かせた安納芋は、ねっとりとした食感が特徴。
濃厚な甘みが口の中に広がり、外側の香ばしい食感とのコントラストが楽しめます。

鰯の持つ独特なクセや臭みが全く感じられず、鰯の良さを閉じ込めています。
ふわっとした食感がなんとも美味しい…

天丼

太刀魚、梭子魚、桜海老などが入った天丼。
カリカリとした食感も残りつつ、中はややむちっとした食感。

日本酒のゼリー

前回、餡子と白玉のデザートが出た際は食後感が重たい印象だったのですが、今回はスッキリとした甘さの日本酒ゼリー。
天ぷらを食べた後にぴったりです。
フルーツはシャインマスカットと「マイハート」という葡萄。

天ぷら なかむら まとめ

静岡の食材をふんだんに使った天ぷら。
結構な品数をいただいたと思うのですが、「もっと食べたい!」と思えるほど軽くて美味しい天ぷらの連続でした。
修行先の成生を思い出させるものもあれば、なかむらのオリジナリティを感じる品もあり、楽しい構成でした。
前回と比べて「美味しいな、こっちの方が好みだな」と思う品もあり、また伺う日が楽しみになりました。

予約方法

月1回程度、電話にて予約受付。
TEL:054-639-6613

店舗情報

なかむら

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