人気すぎて予約困難、若き大将がつくり出す天ぷら浅沼

江戸の食文化に魅せられ、日本橋に店を構えた【天ぷら浅沼】。
江戸時代、天ぷらは厚めの衣をまとわせ、天つゆに浸して食べるのが主流だったそう。
その文化を知った店主の浅沼努武氏は、修業時代に学んだ薄衣の技法とは異なる“衣を味わう天ぷら”を追求し、独自のスタイルを確立しました。
ミシュランガイド東京2024ではセレクテッドレストランに選ばれています。
常連さんでも予約はかなり先になってしまうほどの予約困難店です。
店主・浅沼努武氏の歩み

1994年山形県生まれという若さ。高校卒業後、18歳で上京し、老舗【銀座 天一】で修業。
帝国ホテル店や日本橋高島屋店で研鑽を積み、独立しました。
独自の軽い衣が特徴の天ぷら

衣に気泡を含ませることで、香ばしく軽やかな食感を実現。
食材ごとに衣の配合を変え、100%胡麻油で揚げることで、食材との一体感を生み出しています。
さっくりと揚げた天ぷらを、天つゆに浸していただくスタイル。
この日使用する食材も見せていただきました。
おまかせコース

昼夜ともに旬の食材を活かしたおまかせコースのみをご用意。カウンター越しに浅沼氏が揚げたてを提供します。

テーブルには2種類の塩と天つゆ、大根おろしがセッティングされます。
右奥には特製の醤油も。
ハトシ

明治時代に清国(当時の中国)から長崎に伝わった料理。
中国語で「蝦多士(ハートーシー)」と書くとおり、蝦=エビのすり身を、多士=食パンで挟み、それを油で揚げて作ります。
サクッとふわふわ、中の海老はプリプリ。
車海老

車海老は2本。塩と天つゆでいただきます。
浅沼さんらしい、クリスピーな衣が存分に味わえる車海老。
海老頭

カラッと香ばしく上がった海老の頭。
長茄子

醤油でいただきます。
茄子に油が染みていないので、軽く瑞々しい。
鱚

サクサクの衣にふっくらしたホロホロの身。
鼻に抜ける香りは嫌なものを感じません。
帆立貝柱 磯辺揚げ

醤油と黒七味で味付けされています。
とても大きな貝柱はある程度脱水されており、帆立の甘みが凝縮。レアでたまらない美味しさです。
蛍烏賊

弾けるようにぷりっと、噛むと濃厚な蛍烏賊。
とても存在感のある天ぷらです。
ズッキーニ

揚げた後にカットされていないので、内部はアツアツ。
火傷するほどジューシーで、お塩と合わさるとより甘みが強調されます。
太刀魚、大葉

大根おろし醤油でいただきます。
太刀魚の皮は剥いでいるので、ふわっふわの身が存分に味わえます。
ヤングコーン

シャキッとしたフレッシュな食感と甘み。
髭も一緒に揚げており、香ばしくサクサクさも楽しめます。
ホワイトマッシュルーム

こちらもズッキーニに引き続き、アツアツ!
中は水分たっぷりで、きのこの香りもほわっと。
百合根

本来の旬は2月ですが、熟成させているのでこの時期の提供とのこと。
40-50分揚げて寝かせています。
ほっくりとしたスイーツのような甘み。幸せです。
穴子

サクサクの衣によく合うほわほわの穴子。
臭みが一切なく、食べ応えも十分の大きさ。
天丼

海老やインゲンなどが入ったかき揚げの天丼。
天ぷら浅沼 まとめ

山形のワインが良い意味で日本ワインっぽくない味わい深さで、とても美味しかったです。
軽やかな衣が特徴の唯一無二の天ぷら。コースを食べ終わった後も重さを感じません。
2種類の塩や醤油など、食べ方も工夫があって面白いです。
昨今の天ぷらは値上がりのペースが速く敬遠しがちなジャンルになってしまいましたが、浅沼さんはなんと16,500円(税込)というお値段。
良心的でありがたい限りです。予約が取れないことだけが難点でしょうか…。